議案第8号

八街市下水道事業の設置等に関する 条例の制定について反対討論

 この条例は、公共下水道事業の地方公営企業法の一部を適用し、これまでの官公庁会計の下水道事業特別会計の設置に関する条例を廃止し、企業会計方式に移行する条例の制定です。

 このことにより、今後人口減少などによる下水道使用料の減少、施設の老朽化が進行していることから公営企業に移行することで、貸借対照表や損益計算書党の財務諸表の作成を通じて経営・資産等の正確な把握、経営の健全性や計画性、透明性の向上を図るとしています。

 企業会計が一般会計から分離し、独立採算制が経営原則となります。これは経営収支だけでなく資本収支も含めて採算性が求められることになり、実質的には一般の企業の経営方法と同じになります。

 この間、一般会計からの繰り入れによって、下水道料金の値上げが抑制されてきました。しかし、独立採算が導入されれば、企業としての経済性を強めることになり、使用料金の値上げをせざるを得なくなります。

 条例では、第3条の経営の基本に「企業の経済性を発揮するとともに、公共の福祉を増進するように運営されなければならない」と規定していますが、企業の独立採算制は市民生活に大きな影響を及ぼすことは明らかであり、「公共の福祉増進」にはつながらないことを指摘いたします。

 総務省は平成27年1月地方自治体に公営企業会計導入を通知し、今年1月にも拡大集中取り組み期間を徹底する通知を出しています。しかし、法的にも公会計導入判断は、地方自治体の裁量権もあり、より慎重な取り組みが必要です。

 この制度導入の目的は独立採算性と市民負担増につながる使用料の算定であり到底、受け入れられるものではありません。以上の立場から反対するものです。