議案第5号

令和2年 八街市一般会計補正予算に対する反対討論

新型コロナの第3波を迎えている中で、今議会での補正予算は、国・県の福祉施設・新型コロナ対策として県補助金による福祉施設への支援費が計上されていますが、市独自のコロナ対策費の計上はありません。県・コロナ対策会議専門部会部会長の山本修一・千葉大副学長は、1日の緊急会見を開き、は「県内のどこにもコロナウイルスがいて、どこからでもクラスターが発生しうる。これまでは違う状況」と指摘しており、その対策が求められています。感染リスクの高い医療・施設・学校・保育園等職員対象のPCRの定期的検査への補助・支援とともに、市内経済の八街市中小企業元気アップ給付金の実績報告からも明らかなように、市内業者の売り上げの50%以上の減少が86.4%を占め、8割減が32.4%と深刻な状況となっています。この間、市内業者の方々は、国・市などの支援制度を活用し、経営と雇用を守りギリギリのところで踏ん張っているのが実態です。第3波の広がりが先行きの見通せない状況に拍車をかけており、年末を乗り切れるのか不安が広がっています。こうしたもとでの市独自の支援策が必要です。

自治体の財政力の強弱でコロナ対策に差があってはなりません。国に自由に使える地方創生臨時交付金を強く求め、市民の健康・生活を守る取り組みを求めます。

国庫補助金のマイナポイント事業の人件費補助金230万5千円が計上についてですが、

総務省は、カードを持っていないおよそ8000万人を対象に4000万人の利用者を見込み、来年3月末までの事業に総額2478億円の税金をつぎ込むものとなっています。

政府与党は、個人情報の漏洩やカードの紛失・盗難といった国民の不安にこたえないばかりか、国民がカードを使わざるをえない状況をつくりだすため、この間、健康保険法等改正、戸籍法改正、デジタル手続き法など矢継ぎ早に成立させカード普及のために手当たり次第となっています。

しかし、政府が莫大な税金を投入し、躍起になっても、マイナンバーカードを取得した人は20年9月現在、全国平均で19%にとどまっています。国民・市民が必要性を感じないマイナンバー制度に固執し、何が何でも押し付けるやり方はやめるべきです。個人情報保護のための国の監督機関「個人情報保護委員会」が6月に公表した年次報告によると、2,019年度にマイナンバー付きの個人情報が138機関217件で漏洩したことがわかりました。このうち15件は委託元の行政機関や地方公共団体の許可をえずにマイナンバー付きの個人情報取り扱い業務が再委託されていたケースです。国民は個人情報の漏えいやカードの紛失・盗難への危惧、政府が個人の情報を掌握・管理することについて、強い不安を抱いています。このように問題だらけのマイナンバーカードの普及を推し進めることは、新たな混乱を引き起こし、危険を広げるだけです。国民が求めていないマイナンバー制度を推進するのでなく、立ち止まって見直す時です。

歳出では、職員の期末手当の削減が計上されていますが、2020年人事院・千葉県人事委員会の前年度より0.05ヶ月少ない4.45ヶ月とする勧告を行いました。引き下げは2010年度以来10年ぶりとなり、期末手当の官民格差が0.04ヶ月、民間よりさらに引き下げとなりとなっています。

 

   今回の勧告は、昨年の災害や新型コロナウイルス感染症などに対応してきた市職員の日々全力で職務に邁進し、厳しい勤務環境の中で頑張っている労苦に応えないばかりか、公務員の賃金引き下げはすべての労働者の賃下げにつながるものであり、さらに消費税増税や新型コロナ危機の下でのマイナス勧告は地域経済にも大きな影響を及ぼすものであり、到底認められません。以上ことから反対するものです。